毎年、水虫の原因菌が活発化しはじめる春先や初夏が近付くと憂鬱、という方は多いことと思います。
これまでは、水虫は完治させるのが困難な病気とされていましたが、医学の進歩により現代では「抗真菌薬」によって治すことが可能になりました。
ここでは抗真菌薬でも効き目が強く治りが早いとされるニゾラールクリームについて、その特徴や効能を解説していきます。
加えて、使用方法や服用する上で発生する可能性のある副作用、服用期間中に気をつけたいことについても一緒に学んでいきましょう。 ニゾラールクリーム

有効成分ケトコナゾールの作用

水虫の足 ニゾラールは、白癬菌がもたらす水虫の症状やカンジダ、脂漏性皮膚炎に効果をもたらす抗真菌薬です。
薬剤の中に含まれる有効成分は、イミダゾール系のケトコナゾールという物質であり、これによって真菌の活動・増殖を妨げて抗真菌作用をもたらします。
イミダゾール系の抗真菌薬は、動物のもつ細胞膜とは異なる、菌類特有のエルゴステロール(植物性細胞膜)に介入するという特性を持ちます。
ケトコナゾールを体内に取り込むことにより、白癬菌など真菌(カビ)のエルゴステロール生成を阻害して、真菌の増殖はおろか発育すら抑制するため、殺菌的な抗真菌作用を発揮するという仕組みです。

イミダゾール系の抗真菌薬を使用するメリットとして、効き目が良い上に刺激痛や炎症などの副作用が少ないという点が挙げられます。
足白癬・手白癬(水虫)や体部白癬(ぜにたむし)、股部白癬(いんきんたむし)、カンジダ症や癜風、脂漏性皮膚炎などの皮膚炎といったように、幅広い症状に効き目がある薬です。
幅広い抗真菌スペクトルを持つのが特徴であり、皮膚糸状菌が関わる症状であれば広く効き目があるのは大きな強みと言えます。

この有効成分・ケトコナゾールが用いられたニゾラールは、液剤(ローション)タイプ・スプレータイプ、そしてクリームタイプの3種類が販売されていますが、あらゆる症状に効いて使いやすいとされているのはクリームタイプです。
病院・薬局で処方されるのもクリームタイプが多く最も一般的ですが、皮膚が厚く硬質化した患部には浸透しにくいため、皮膚への刺激が強いという弱点はあるものの液剤タイプが適しているといえるでしょう。
ちなみに、ニゾラールのいずれの形状も医療用医薬品であるため、市販されておらず病院で処方してもらうしか入手方法はありません。

ニゾラールクリームの使い方

水虫の治療薬について説明する医者 ニゾラールクリームは一日に一回、患部に塗布する形で服用するのが通例です。
白癬(水虫)や皮膚カンジダ症・癜風に対しては一回ですが、脂漏性皮膚炎に関しては一日に二回患部に塗布する必要があります。
病院での診察を受けたのち処方される薬品であるため、医師に指示された用法用量・治療期間を厳重に守ってください。
白癬が治りにくいとされる理由は、自己判断で治療を中途でやめてしまうことが原因の大半です。
特に、足の裏や爪など角質層が厚く硬い部分は治療期間が長くなる傾向にあり、半年から一年以上は続けないと治りません。

塗布する前にまず、患部をしっかり洗う必要があります。
垢や汚れが付着した状態ではうまく薬品の効果が浸透しきれず、効果が半減するからです。
クリームタイプは薄く広めに塗布すること、患部によく擦り込むことが服用する上でのポイントです。

症状の出ている患部全体を、覆うようにして塗り込みましょう。
そして、根気よく服用を続けるという点も忘れてはいけません。
角質の表面に棲む菌はしっかり塗り込むことで抗真菌作用が望めますが、皮膚糸状菌という名前がつく通りこれらの菌は皮膚の奥深くまで根を張るため、長期にわたって治療することが必要だからです。

ただし早く治したいからといって、使い過ぎるのも禁物です。
塗り忘れがあった分を取り戻そうと過度に塗ったりすると、皮膚が荒れてかぶれや炎症を起こすことがあります。
そのため、塗り忘れに気付いてもその日の分だけを服用するようにしましょう。

塗布するタイミングは、一日の内どの時間でも構いませんが、患部を清潔な状態にする必要があるため入浴後が最も効率が良いでしょう。
お風呂に入った時は患部をよく洗って、こまめに乾燥させるようにすることもポイントです。
治療を開始して2~3週間経っても症状がほとんど改善しない場合は、医師に相談してください。

ニゾラールクリームの副作用

足の水虫が気になる女性 どんな安全な薬品にも必ず副作用があるように、ニゾラールクリームにも副作用は存在します。
しかし、用法用量を守って服用してさえいれば、副作用が起きることはほとんどありません。
内服薬と違い外用薬であるという特性上、皮膚から体内に吸収される薬効成分量が低くいため、身体全体に害を与えるような深刻な作用はないと言って良いでしょう。

副作用の軽い症状として一般的に見られるものとしては、接触皮膚炎やそう痒・発赤、皮膚の刺激感、紅斑や皮膚剥脱などが挙げられます。
そう痒とは、発疹など炎症が見られないのに皮膚にかゆみを生じる状態のことです。
皮膚の乾燥状態、つまりバリア機能が低下した時に起きる作用と類似しており、個人によってや体調によって皮膚トラブルが発生する、と言い替えることができます。
加えて、皮膚が赤くなったり紅斑が表出するケースも報告されています。
クリーム状であるため、皮膚のベタつき感が感じられることもあるでしょう。

ごく稀ですが、患部および全身に乾燥や浮腫など適用部位反応が見られることもあります。
また、ひどい時は出血や炎症、錯感覚が発現することも報告されています。
もし、患部や他の部位に異常を感じたら、すみやかに医師に相談しましょう。
他に見られる副作用の症状としては、水疱や亀裂・疼痛、発疹やじんましん、皮膚灼熱感などが確認される場合があります。

これまでに水虫の薬の使用歴があり、なおかつ服用していてかぶれや湿疹が出たことがある方は必ず診察時に医師に相談するようにしてください。
市販の抗真菌薬を最近まで使用していた場合も、同様に伝える必要があります。
検査の時に菌が見つかりにくいため、誤診のないようにするには不可欠です。

ニゾラールクリームを使用する際の注意点や併用禁忌

処方薬 もし使い忘れたことに気付いたら、その時に一回分を塗るようにしてください。
遅れを取り戻そうとして二回分を塗る、といった誤った用法をしてはいけません。
もし多めに使用してしまった場合は、医師や薬剤師に連絡・相談するようにしましょう。
薬剤に触れた指で目や顔をこすって、誤って目に入った場合は水もしくはぬるま湯でただちに洗う必要があります。

皮膚糸状菌と呼ばれる真菌類は、非常に根強く長期間にわたって根気づよく治療しなければ、完全に根絶することはできません。
ニラゾールを使用しはじめて1~2週間で、皮膚の表面上はきれいに治りますが内部にはまだ棲みついているため、奥底の菌を完全に死滅させるまでは服用を続けるようにしてください。
また、全ての真菌に等しくニゾラールが効果を発揮するとは限らないため、2~3週間使用しても大きな効果が見られない場合、医師の診察を再度受けて違う治療法へと切り替える必要があります。

併用に関しては特に注意点はありませんが、他の抗真菌薬を使用する前に必ず担当医に報告してから使用するようにしましょう。
低出生体重児や新生児への臨床実験例は少なく、現在安全性が確率されていないため処方はされていません。
新生児に限らず、たとえ家族のものであっても医師の診察なしに投薬しないようにしてください。
妊婦・授乳婦も同様に、医師の診察なしには使用することはできません。
新生児のケースと同様に投与に関する安全性が確保されていないからです。

この他、使用する上での注意点として、容器の中に真菌や雑菌が入り込まないようにする必要があります。
感染力が高く、患部に触れた手で他の部位に触れただけで感染するレベルであるため、患部や容器など全て清潔に管理してください。
使いかけのものを長期間保管して、再度使用するといった使い方もやめましょう。

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